2006年12月30日

遁走阿蘇日記・その2

阿蘇2日目。
今日の午前中はお餅をつく。「つく」といっても、機械を使ってこねくりまわすんだけれども。とはいえもち米を蒸したり、丸めたり、たいへん。
家族総出でお餅を丸める。もちろんあゆむさんも。つきたてのあんこ餅は美味しいねえ。

つきたての餅は美しいですねえ。

みんなで楽しいもちつき。

やさしく丸める。

あんこを包むには熟練の技が必要(ウソ)。

午後から月廻り公園へ行く。寒くてしかも年の暮れで、誰もいやしない。夏にはポニーや羊さんもいたけれど、今日はなにもない。かろうじてゴーカートで遊べたので、ともちゃんとあゆむさんが乗って遊ぶ。さすがに1.2kmの長さのゴーカート。行って帰ってくるまで、ずいぶん時間がかかるもんだ。

カウボーイ疾走??

さらに長陽村の地獄温泉へ。先日『地球ふしぎ発見』に出ていた「すずめの湯」へ行く。混浴のしかも露天風呂だけど、さすがにテレビ効果でお客さんは多い。温泉成分の濃縮した、お風呂の底に沈んだ泥をパックみたいに肌にすり込むとすべすべになるらしい。というわけで、女性客も露天風呂にじゃんじゃん入ってくる。『地球ふしぎ発見』で紹介されたせいか、ほとんど泥は残っていないのが残念。
お風呂に入ると底の砂地からプクプクと泡がわきあがってくるのが不思議。硫化水素の臭いの強い温泉に入るのがはじめてのあゆむさんは、「ここのお風呂にはねえ、卵が10個入ってるのよー」とぼくに解説してくれました。

最初はともちゃんも恥ずかしがって内湯に入っていたけれども、結局勇気を出してみんなで入ることに。楽しすぎて、ついつい1時間半も入ってしまった。家族で入るひとも多いですねえ。岡山の人、大阪から来たあゆむさんもかなり愉しんでくれたみたい。ポカポカで家に帰る。

地獄温泉。

すずめの湯へ。

さすがに阿蘇は寒いなあ。雪も残っているし、朝は霜がすごい。
もう明日は31日。今年も最終日。なんだか淋しい。年が明けて仕事が始まることを考えると、もっと淋しくなる。

霜で飾られた葉ボタン。
 
タグ:写真 阿蘇 温泉
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遁走阿蘇日記・その1

阿蘇でも元気なあゆむさん。

年末進行の地獄。12月28日は、朝6時半に出勤し夜12時まで仕事をしていました。29日は朝の10時半のリレーつばめで熊本へ。ともちゃんもぼくもヘトヘトでしたが、あゆむさんだけは元気です。

支那竹入り支那そば@北熊浜線店

たかこ姉ちゃんと合流して、お昼は北熊浜線店へ。なんだか熊本に帰ると、こればっかりだなあ。「支那竹入り支那そば」を食べる。太目のちぢれ卵麺でございます。いつもは野菜札幌そばを食べる(ものすごいボリュームの野菜炒めが乗っている)んだけど、この日は支那竹が食べたい気分。
トッピングは支那竹、葱、チャーシュー、揚げニンニクのチップ。かなり背脂多めなんだけど、スープはミルキーで、しかもあっさり気味。チャーシューはゆで豚系、揚げニンニクのチップがいいアクセントになっている。量が超多いので、大盛りにするには気合が必要。北熊は、いわゆる熊本ラーメンとは別系統で、しかもお店によってぜんぜんクオリティが違うんだけど、浜線店は美味しいお店です。

で、夕方、阿蘇へ。みな温かく迎えてくださる。ありがたいことです。
ビールを飲みながらの夕食の後、さっそく坊中温泉などへ。というわけで正月休みのスタート。

リレーつばめのあゆむさん。  「世界の車窓から」風。  北熊浜線店にて。  ビールが美味しいです。
 
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2006年12月25日

あゆむさん、ABCクッキング・スタジオで修行をするの巻

キャナルシティのABCクッキング・スタジオへ、あゆむさんをパティシエ修行に行かせました。小学低学年から幼児を対象としたキッズ向けのイベントもちゃんとあるのがすごいABCスタジオ。食育まで踏み込んだ授業をしてくれるそうで、興味があってあゆむさんを参加させました。

結果的には、あゆむさんはぜんぜん飽きずに最後まで参加できたし勉強にもなったよう。食育に関心がある親御さんにはオススメかもしれない。食は、もはや教養ですからねえ。あゆむさんには食をおろそかにするような大人にはなって欲しくない。

で、以下レポート。あゆむさんはクリスマスケーキを作りました(もちろん出来たケーキは持ち帰ります)。
ぼくは仕事の都合で見学にいけなかったけど、写真のあゆむさんはずいぶん楽しそう安心しました。

まず、制服と帽子を着用。
まず、制服と帽子を着用します。親は外で待機。と言ってもガラス張りなスタジオなので、子どもたちにも常に親の姿が見えています。

生地をまぜまぜ。
生地をまぜまぜします。ひとり10回ずつくらいこねくり回せるみたい。

スポンジにシロップを塗る。
スポンジは既に出来ています。ロールケーキを作るので、刷毛でシロップを塗ります。

クリームを塗る。
次にクリームを塗ります。クリームにはヨーグルトも混ぜてあるので、さわやかな酸味があります。

イチゴジャムものせる。
イチゴジャムものせます。

まきまき
それをまきまきします。

先生と一緒にぐるぐるまきまき。
先生と一緒にぐるぐるまきまきします。

ちょっとひとやすみ。
ちょっとひとやすみ。

生クリームを乗せてデコレーション。
輪切りにしたロールケーキを倒し、土台にします。上に生クリームを乗せてデコレーションしていきます。

粉砂糖もふります。
粉砂糖もふります。

さらにデコレーション。
さらにクッキーやマジパンのサンタなどでデコレーションします。

できたー!
できたー!

ちょっとすごくない?
ちょっとすごくない?

あげるひとに手紙を書く。
ケーキをあげるひとに、心をこめて手紙を書きます。

もちろん試食時間もあります。
もちろん試食時間もあります。

これが完成品。
これが完成品。4歳児が作ったとは思えない出来の良さ。

+ + +

というわけで最近、あゆむさんを本気でクッキング・スタジオに入会させようかと考えている次第です。
 
タグ: 食育
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2006年12月17日

Coming From Above――ゲイリー・ウィニック『シャーロットのおくりもの』

ゲイリー・ウィニック『シャーロットのおくりもの』(2006/米)

児童向けファンタジーの古典『シャーロットのおくりもの』の映画化。FBSさんの試写会にあゆむさんとペアで招待された。西鉄ホール。ちなみに吹き替え版です。女の子二人、カップル、年配の夫婦、子ども連れの親子など、なかなか客層は広そう。

+ + +

ゲイリー・ウィニックという名に記憶がないので検索してみると、ヴェンダースが撮った『ランド・オブ・プレンティ』(2004)に製作としてタッチしている。いくつか自身が監督している作品もあるけれども、ぼくはすべて未見。
どちらかというとこの映画、ダコタ・ファニングに期待していたが、実際観てみるとあまり彼女が出る必然性はない。むしろもっと無名の子役のほうが良かったような気がする。ストーリーは原作に忠実でヘンなひねりはない。だからこそファンタジーのエッセンスが凝縮されているように思う。

たしかに動物が主人公の映画ってのは、アントロポモルフィズムやオリエンタリズムに陥る可能性が指摘されてなかなか楽しめなかったりもする。そりゃあこのご時勢、オリエンタリズムに敏感にならざるを得ない。映画は資本主義(というか消費主義)とグローバリゼーションにモロにつながった芸術だ。だけど、こういう友愛を謳う映画は、そんなムズカシイことはいったん棚上げにして、子どもと一緒に楽しんでもいい。

ゲイリー・ウィニック『シャーロットのおくりもの』(2006/米)

『シャーロットのおくりもの』は、ブタのウィルバーとクモのシャーロットの友愛のお話。
ウィルバーは、シャーロットの名前を「いい名前!」と言う。いやウィルバーにとってはどんな名前も「いい名前!」 ここに名前と友愛の秘密があるように思う。

挨拶のはじまり、つまり目の前に彼女/彼の名前を呼ぶこと。クモのシャーロット、ネズミのテンプルトン、羊のサミュエル、ガチョウのグッシーとゴリー、馬のアイク、牛のベッツィー。この世界にひとつしかない名前を呼ばれて、友愛が始まる。(そう、ぼくは師レヴィナスを思い浮かべている。だけどあんまり難しく考える野暮はよそう。)

アイクにはシャーロットの醜さが耐え難い。姿形だけではなく、ハエのような小虫を網で捕らえ「血」を吸うということも、アイクにとって倒れてしまうほど忌まわしいことだ。
しかし、そんなアイクの隣で、ウィルバーはシャーロットの名を呼び、その姿を「綺麗だ!」と誉める。シャーロットは、自身がいい名前を持ち美しい存在であることを、おそらく生まれてはじめて意識したのだろう。だからウィルバーの命を守ろうとする。

ゲイリー・ウィニック『シャーロットのおくりもの』(2006/米)

映画が終わって館内が明るくなると、後ろに座っていた女の子たちが、涙声で、でも笑いながら「〈ぴかぴか〉と〈ひかえめ〉はないよねえ」と言っていた。ぼくもそれを聞きながら笑ってしまった。
シャーロットが紡ぐ〈とくべつなブタ〉〈さいこう〉〈ぴかぴか〉〈ひかえめ〉というユーモラスで美しいことばたち。みんなウィルバーのことだ。そこに紡いだことばについて、シャーロットは「あなたそのものを表したことば」とウィルバーに伝える。名前を呼んでくれたお礼に空に架けられたのは、キラキラ輝くことば。まるで大切な秘密を明かすように、彼女はそっとウィルバーに伝えた。

与えることば、与えられたことば、そしてその神秘。
人間の大人たちはシャーロットがどんな風に生きたか知らない。だけど、たしかにその神秘は人間にも伝えられた。
納屋の仲間たちは皆、アイクやテンプルトンも、ウィルバーと同じように彼女を愛し、彼女の子どもたちの命を愛する。ブタがクモの名前を呼ぶことからはじまった「小さくてよいこと」が、少しだけその町を変えていく。

+ + +

Help Is Coming From Above.
アメリカでのポスターには、こうコピーが書いてあった。これは決して宗教的な文句じゃない。
ぼくの信念は「幸せは突然のプレゼントのようなもの」。このフレーズとおりだ。空から降ってくる幸せ。雪を見ることができる幸せ。

+ + +

あゆむさんにはちょっと難しい映画だったかな?
でもパパとママは、シャーロットのようにいたいのだよ、いつでもね。

ゲイリー・ウィニック『シャーロットのおくりもの』(2006/米)

ちなみに字幕版にはジュリア・ロバーツやスティーヴ・ブシェミ、ロバート・レッドフォードが声優として参加している。どんな感じなんだろう。特にブシェミの声って!
吹き替えのシャーロット役の声、鶴田真由が素晴らしい。思慮深く賢く誠実なシャーロットをよく演じていると思う。

動物たちのシーンが必然的に多いけれども、この手の映画で感心するのはやっぱりCG。おおよそ実写で撮って、それをモーフィングで動かしている。クモのシャーロットだけはオールCGなはずだけど質感にほとんど差が感じられない。ただでさえ自然が多い背景なんだけど、CGと違和感がないのはたいしたもんだ。
エンディングのアニメーションが本当に素晴らしい。テーマ曲サラ・マクラクランが歌う「オーディナリー・ミラクル」がまたよくって、涙腺がうるんでしまう。だから最後まで席は立たないこと。

『シャーロットのおくりもの』公式サイト

ゲイリー・ウィニック『シャーロットのおくりもの』(2006/米)

シャーロットのおくりもの(2006/米)
Charlotte's Web

製作総指揮 ポール・ニーサン / バーニー・ウィリアムズ
  / エドガー・M・ブロンフマン / ジュリア・ピスター
製作 ジョーダン・カーナー / パラマウント・ピクチャーズ
監督 ゲイリー・ウィニック
脚色 カレイ・カークパトリック / スザンナ・グラント
原作 E・B・ホワイト
撮影 シーマス・マッガーヴェイ
音楽 ダニー・エルフマン
編曲 ピート・アンソニー / スティーヴ・バーテック
衣装 リタ・アイラック
編集 スーザン・リッテンバーグ
特撮 ティペット・スタジオ
出演 ダコタ・ファニング / ケビン・アンダーソン / エシー・デイビス
声 ジュリア・ロバーツ / オプラ・ウィンフリー / スティーヴ・ブシェミ
  / ジョン・クリーズ / セドリック・ジ・エンターテイナー
  / キャシー・ベイツ / レバ・マッケンタイア / ロバート・レッドフォード
  / トーマス・ヘイデン・チャーチ / アンドレ・ベンジャミン
  / サム・シェパード
吹替 鶴田真由 / 福田麻由子 / 山寺宏一 / 松本伊代 / ヒロミ
  / LiLICo / 千原兄弟・靖史 / 千原兄弟・ジュニア / 高橋英樹
配給 パラマウント・ピクチャーズ / UIP
E.B. ホワイト『シャーロットのおくりもの』シャーロットのおくりもの
E.B. ホワイト E.B. White(作)
ガース・ウィリアムス Garth Williams(絵)
さくまゆみこ(訳)

単行本: 223ページ サイズ (cm): 21 x 15
あすなろ書房
2001-02
ASIN: 4751518895
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2006年12月15日

THE WARHOL LOOK 1981

THE WARHOL LOOK 1981

THE WARHOL LOOK 1981

THE WARHOL LOOK 1981

THE WARHOL LOOK 1981

THE WARHOL LOOK 1981

拾いもののウォーホルの女装写真。
ウォーホルはゲイで女装趣味もあった。だけどこのひとはジェンダーのことなんか、一度も考えたことはなかったはずだ。女装をしたらジェンダーが揺らぐなんて安直だ。というよりも彼は、フェミニズムだの美術批評だの、そんなアートを修飾する諸学を、単に笑い飛ばしたかっただけなんだろう。

こういうなんだかよくわかんないパワーに満ちた「狂奔するアート」って、現在進行形である?
 
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2006年12月14日

共和主義とはなにか――レジス・ドゥブレ 『思想としての「共和国」』

Regis Debray(1940- )
Regis Debray(1940- )

フランスではジャコバン共和主義者(!!)として知られるレジス・ドゥブレの『思想としての〈共和国〉』を読む。メディオロジーの創始者としても知られるドゥブレだけれども、本書では共和主義者と自由主義者(デモクラット)の根本的な相違について、皮肉たっぷりに、しかし危機感もあらわに訴える。

冒頭のドゥブレの論文「あなたはデモクラットか、共和主義者か」は1989年に発表されたものだが、アメリカを代表とする自由経済主義に根本的な異議を唱える重要なもの。
「共和制」「ライシテ」「シトワイアン」「自律」など、非常に重要なタームがちりばめられているので、いずれまとめてエントリーしたい。とりあえず若干の引用を。ちなみに以下の引用で「デモクラシー」とあるのは、民主主義ではなく自由経済主義と訳したほうが分かりやすい。

共和制においては、各人はみずからを市民としてとらえている。そしてすべての市民によって構成されているのが「ネーション」、すなわち「共通の法のもとで生き、同じ立法者によって代表される、仲間・同輩者たちの一団」(シエース)である。翻って、デモクラシーにおいては、各人は自分を自分が属している「コミュニティ」によって定義する。そしてすべてのコミュニティの総和が「社会」を作っているのである。共和制の人間がみな兄弟なのは、彼らが同じ権利を持っているからである。ところがデモクラシーにおける人間は、彼らがみな同じ祖先を持っているからこそ、兄弟なのである。共和国では、黒人だから市長になったとか、黄色人種のゆえに上院議員であるとか、ユダヤ人だから大臣であるとか、無神論者なので学校の校長になったというようなことはありえない。黒人という市各での知事、白人という資格での市長、モルモン教徒という資格による上院議員といった事態が可能なのは、デモクラシーにおいてである。同国市民は同宗者と同じではない。
レジス・ドゥブレ Regis Debray『思想としての「共和国」―日本のデモクラシーのために』思想としての“共和国”―日本のデモクラシーのために
レジス・ドゥブレ Regis Debray
三浦信孝・樋口陽一ほか編訳

単行本: 276ページ サイズ (cm): 19 x 13
みすず書房
2006-07
ASIN: 4622072211
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н_и_н_а(whynot)@photosight

Alice In Wonderland
Alice In Wonderland

И вот вся жизнь...
И вот вся жизнь...

толиНебо толиДым
толиНебо толиДым

н е о п о з д а т ь !..
н е о п о з д а т ь !..

город
город

н_и_н_а(英語表記だったらN_I_N_a)という写真家の作品。ロシアの女性カメラマンらしいけれども、詳細は不明。多重露光や鏡を使用した作品が多い。タルコフスキーにマン・レイのオブジェ感覚を足したような、幻想的で超感覚主義的な作風がぼく好み。それにしても、すこしひんやり湿ったいかにもルシアンな幻想じゃないだろうか。

н_и_н_а(whynot)@photosight
 
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sobakasu's photos @ flickr

La Mort du Cygne 01
La Mort du Cygne 01

La Mort du Cygne 03
La Mort du Cygne 03

La Mort du Cygne 04
La Mort du Cygne 04

Ballet Junior 05
Ballet Junior 05

Ballet Junior 02
Ballet Junior 02

毎年5月あたりに、ローザンヌ国際バレエコンクールの様子がNHKで放映される。いつも楽しみにしている。バレエってのは、すぐれて20世紀の芸術だと思う。だが、過去の芸術ではない。

sobakasu's photos @ flickr
 
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宇宙開発の未来予想図。

Ariane 5(欧州)
Ariane 5(欧州)

前々回のエントリーに引き続いて宇宙開発の話。

OECDの報告書『スペース2030―宇宙利用の未来探査』は国際情勢の推移を3つのパターンに分け、それぞれについて今後30年間の宇宙開発を予測している。
宇宙開発のかたちは、経済状況と国際情勢によって異なる。軍による宇宙開発が先行するのか、商業ベースでの開発が先行するのか。まずOECDのアナリストたちは以下のようなシチュエーションを提示している。

1.順調な航海
国際機関の好意的な指導のもとで世界全体が秩序を保ち、自由市場と民主主義が、しだいに国家機関が容認する一般的なモデルとなる。

2.バック・トゥ・ザ・フューチャー
このシナリオでは、主に3つの経済大国が世界を支配している。米国、欧州、中国である。

3.荒れ模様
主要な大国間での根強い意見の相違は、徐々に国際機関を衰退させていくだろう。国際的な場面における内政干渉への厳しい批判の対応策として、米国はしだいに一方的な行動が増え、米国の重大な利益を脅かしているという名目では正当化されないすべての軍事活動から撤退する。
1は、グローバリゼーションが世界の唯一の規範として浸透した世界である。イニシアティヴをとるのは国際機関であり、徐々に国民国家が役割を終えつつある。しかし、テロはいまだに大きな安全保障上の脅威であり、同時に環境問題に対する関心が高まる。資源探査、海洋調査などの需要も大きい。

2は、アメリカ・欧州ブロックと中国・ロシアブロックが対立する世界。ふたたび世界は冷戦構造を形成し、NATOが強化される。地域大国化したインドやブラジルも、南アジアや南米で大きな影響力を持つ。環境問題への取り組みは低調で、異常気象による天災が多発する。

3は、アメリカが唯一の超大国であるが、新モンロー主義とも言えるような超保守主義に基づく消極的な外交によって、国際機関が機能不全状態にある世界。民族紛争、分離独立運動が世界各地で頻発し、テロも横行する。環境問題が悪化し、飢餓や天災、新たに出現する疫病が戦争以上に脅威となる。

Delta U(アメリカ)
Delta U(アメリカ)

実際にはどのシナリオをたどるのだろうか。1と2の中間が現実的な未来といえるだろうか。
おそらく、宇宙関連企業が軌道上および地上に民間宇宙基盤をさらに増加させようとするはずだ。米中関係が緊張し軍の発言力が増せば、この動きは牽制されるだろう。
ともあれ、今後30年間で以下の宇宙産業が採算ベースにのる可能性が高い。

1.通信教育:遠隔医療
2.電子商取引
3.娯楽
4.位置情報の消費者サービス
5.位置情報サービス:交通管理
6.土地利用:精密農業
7.土地利用:都市計画
8.土地利用:探査(石油など)
9.災害防止および管理
10.環境利用および気象学
11.条約・規格・政策などの実施の監視
12.宇宙観光・冒険旅行(準軌道および軌道)
13.軌道上サービス(衛星のハード補修やソフトのバージョンアップ、デブリの除去など)
14.電力リレー衛星(主にマイクロ波を使ったリレーション)
米中関係がそれほど悪化しないのであれば、ISSや民間主導で投入される実験衛星およびステーションで、微小重力下での新たな素材開発などが行われるだろう。

相変わらず月面開発や火星への有人探査などは、国家のモチベーションのための事業として行われる。少なくとも今後30年程度では、月面開発の採算が取れる目途はまったく立たない。月面のような他天体で恒久的な活動をするためには原子力以上のエネルギー源(アナリストの中には核融合発電を提案する者もいるが、さすがに荒唐無稽だ)が必要であるが、国際情勢が安定しなければ、これが大きなネックになるだろう。

ナノ・テクノロジーの進歩によって、奇想天外な構想にも実現の目途が立つかもしれない。たとえば軌道エレベータのような大規模輸送システムは意外に安価に建設出来る可能性がある(核融合発電システムの開発と月面での建設費よりも安価に、という程度の意味だけれども)。素材(ダイヤモンド以上の強度を要求される)の開発さえ目途が立てば、だ。

ガリレオ計画
ガリレオ計画

さらに、今後新たな衛星群による測位/通信網が再構築されるだろう。
たとえば、現在、欧州宇宙機関が進めているガリレオ計画は2008年から実用化される。その内容は欧州宇宙機関のリリースによるとこのようなものだ。

ガリレオ計画とは、欧州委員会の発案に基づき開始された欧州独自の衛星による無線航法(ナビゲーション)計画であり、通信、環境、農業、水産業等の分野における新世代のユニバーサルサービスの開発を確実にもたらすものである。同計画は、民用目的の衛星ナビゲーションにおけるグローバルスタンダードとなり、米国のシステムとの間には完全な相互運用性が確保される。
もう少し詳しく解説すると、以下のようになる(「現代中国ライブラリィ」より)

ガリレオはEU独自のGPSシステムである。2002年3月、バルセロナのEU首脳会議によって計画推進が合意されたが、その後の各国の意見対立などもあり、今年5月、欧州宇宙機関(ESA)加盟15国がガリレオ計画の始動で最終合意し達した。2006年から30基の人工衛星を順次打ち上げ、2008年には稼動を始める予定。30基の衛星は上空約2万4000キロを周回、1メートル以内の精度をもつとされる。軍事利用のため民用が制約されている米国のGPSの誤差36メートル以下よりも性能は上回る。
実はガリレオ計画には中国も参加している。日本はアメリカのGPSシステムに完全に依存しているために、ガリレオ計画に参加していない(というよりも無視している)。これは危険なことで、システムの詳細は省くが、おそらく今後、ガリレオ計画が測位システムのワールドスタンダードになっていくのではないかと思う。日本のシンクタンクの論文を検索してみても、ガリレオ計画に言及しているものは少ない。経済界はこの計画をもっと注目してよい。

ガリレオ計画では30基の衛星をMEO(中高度軌道)に配置することになっている。
かつてのイリジウム計画は77基をMEOに投入する予定だったし、テレデジック計画(ビル・ゲイツも関与した衛星によるインターネットサービス)はLEO(低高度軌道)に840基(その後MEOに288基に変更)配置する予定だったが、当然破綻した。

イリジウムやテレデジックとガリレオ計画の違いは、十分な採算性だろう。イリジウムやテレデジックは、ITバブルの熱狂の中で生み出された、マーケティングを無視した巨大プロジェクトだった。だからバブルの終息とともに計画も尻すぼみになってしまった。
だがすでにアメリカのGPSシステムを見ても分かるとおり、衛星による測位システムはすでに巨大な市場を形成しており、今後も拡大が予測される。しかもガリレオ計画は、単に測位システムというだけではなく、精密農業や資源探査も視野に含めた汎用性をウリにしている。採算性は大きく保障されているといえるだろう。

HU-A(日本)
HU-A(日本)

電脳化が進み通信の秘匿性が重要になってくると、これまでインターネットを介していた通信も、P2Pのために衛星を利用することも行われるようになるだろう。遠隔医療も、単に診断だけではなく手術の介助を衛星を介して行えるようになるはずだ。従来のネットではタイムラグが問題となるが、LEO衛星でリレーすればラグは縮小される。
さまざまな用途で、特にLEO/MEO衛星は必要とされることとなるだろう。ガリレオ計画以降もLEOおよびMEOに衛星群を投入する計画は逐次現れると思われる。

打ち上げロケットの信頼性が増すことで、計画から実際の配備運用まで、スピードも上がる。また、衛星の小型化や、アリアン、デルタ、プロトン、HU-Aなどのロケット打ち上げコスト低減が進み、衛星事業全体のコストが下がるはずだ。これまでさまざまな不確定性(ロケット打ち上げの失敗、景気の循環、国際情勢等々)と、ひとつひとつのプロジェクトの巨額さから経営が不安定になりがちだった。ということは軍の宇宙計画に経営を依存せざるをえなかったということだ。
宇宙産業が、真に民間産業に移行するのが、これからの30年だといえるだろう。

+ + +

ニュータイプの出現も、木星ヘリウム公社も、カリストの独立も、惑星間経営機構の成立もまだまだ遠い。けど、夢は見れるさ、十分に。

OECD編『スペース2030―宇宙利用の未来探査』スペース2030―宇宙利用の未来探査
OECD編
柴藤羊二・柴藤良子訳

220ページ
技術経済研究所
2006-08
ASIN: 4906445241
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2006年12月13日

billa @ flickr

ロンドンでは「ニューレイヴ」と呼ばれる新しいクラブムーヴメントが生まれているらしい。その中心的なクラブが「Anti-Social」。

flickrで見つけたbilla(たぶん雑誌のエディターかカメラマンだと思う)は、地球の裏側の夜の様子を切り取ってくれる。「Anti-Social」の雰囲気がリアルタイムに伝わってきて、楽しい。
友人やクラブで知り合った仲間たちのポートレートが中心なんだけど、初期HIROMIXをパンキッシュにした作風が良し。あまりに素晴らしいので画像を多めに紹介。

anti social (Dec 9, 2006)
anti social (Dec 9, 2006)

anti social (Nov 28, 2006)
anti social (Nov 28, 2006)

anti social smokers (Nov 28, 2006)
anti social smokers (Nov 28, 2006)

anti social (Nov 28, 2006)
anti social (Nov 28, 2006)

boooooom box (Nov 20, 2006)
boooooom box (Nov 20, 2006)

an anti social birthday (Nov 19, 2006)
an anti social birthday (Nov 19, 2006)

an anti social birthday (Nov 19, 2006)
an anti social birthday (Nov 19, 2006)

boom box (Nov 14, 2006)
boom box (Nov 14, 2006)

trailer trash (Nov 4, 2006)
trailer trash (Nov 4, 2006)

trailer trash (Nov 4, 2006)
trailer trash (Nov 4, 2006)

billa....'s photos
 
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スペースシャトルについて。

スペースシャトル
スペースシャトル

ぼくが子どもの頃、大人になったら宇宙旅行は普通にできるようになっているだろうと思っていた。
ぼくが大人になる頃には、軌道上にドーナツ型の宇宙ステーションが出来ていて、スペースシャトルが観光客を乗せて毎日ステーションまで飛んでいて、もちろん月面基地は出来ているし、オニール型のスペースコロニーも具体的な計画が始まっていて火星には人類が降り立っている。そんな未来世界を想像していた。現実はとても追いついていないが。
何故だろう。いくつか理由はある。

第一に、米ソの冷戦構造が崩壊したこと。アメリカにとってもロシアにとっても、月以遠の深宇宙探査という「国威発揚の場」が必要なくなった。また、戦略核等の削減交渉が進み、SDIのような巨大軍事プロジェクトが破棄されたことが宇宙開発全体に与えた影響は大きい。

第二に、衛星技術に替わる地上代替技術の開発が進み、コストのかさむ宇宙開発に手を出す必要性が希薄になったこと。
たとえば、衛星によるコンテンツ配信事業は、アメリカでこそ順調なものの、光ケーブル網やCATV網が普及し、地上デジタル波放送も開始した日本では決して順調とは言えない。今後、世界中で日本と同じ状況が進むだろう。
1990年代後半のモトローラ社によるイリジウム計画も、インターネットバブルの崩壊に伴い21世紀早々に破綻した。地上の携帯電話網とネット網が全世界を覆いつつある現在、イリジウムは不要で非現実的な構想である。

第三に、重大事故の多発。
とくにスペースシャトル・コロンビアの破滅的な事故は、アメリカの宇宙開発だけでなくISS(国際宇宙ステーション)の建設にも重大な遅延をもたらしてしまった。日本のHU-Aロケットのたび重なる失敗も、宇宙産業市場(打ち上げ市場)への日本の参入を決定的に遅らせてしまった。

SRBロケットエンジン(固体燃料ロケットブースタ)
SRBロケットエンジン(固体燃料ロケットブースタ)

そう、スペースシャトル計画の根本的な失敗が、宇宙計画に重大な遅滞をもたらしたといえる。今となっては、スペースシャトル計画そのものが非現実的な輸送システムだったと評価せざるを得ない。NASA自体も、それをしぶしぶながら認めつつある。

1981年の初飛行時の目標は、7人の宇宙飛行士と30トンのペイロードを低軌道に運ぶための費用は5000万ドル以下、大事故の可能性は0.0001%以下、4機のシャトルを建造し年間のべ50回以上の飛行、というものだった。
実際の成果はどうか。シャトルは5機建造され、22年間でわずか120回の飛行、2度の大事故で14名の人名と2機のシャトル本体が失われ、1回の打ち上げに3億5000万ドルから4億5000万ドルが必要である。(ちなみにHU-Aですら一回あたりの打ち上げコストは100億円程度。)
NASAは2010年までにシャトルを全機退役させる予定で、後継機としてオリオンというアポロ−ソユーズ・タイプの輸送システムを採用することになっている。

打ち上げコストというのは宇宙開発にとって非常に重要なのだ。
当然ながら、景気の循環に宇宙開発も左右される。たとえば、1992年は全世界で93回の打ち上げが行われたが、2001年は59回でしかない。これはインターネットバブルの崩壊により、通信衛星の開発が先送りされたことが大きい。
また、衛星の耐久性が向上し(現在は一般的に、衛星寿命は15年と言われている)コストパフォーマンスが向上しつつある。したがって、いよいよ打ち上げ回数は減らざるを得ない。打ち上げ産業は現在も危機的な状況にある。

電子部品の小型化により、低軌道衛星から静止衛星程度であれば、高性能でしかも軽量な衛星が製造可能となった。つまり商業衛星の打ち上げについては、ロケットに巨大なペイロードを必要としていないということだ。プライオリティが高いのは、打ち上げの信頼性である。(打ち上げ機関だけではなく、衛星保険業界にとっても死活問題だ。)信頼性という観点では、欧州のアリアンやアメリカのアトラス、ロシアのプロトンのほうがシャトルよりもはるかに評価が上だ。

有人宇宙船としても、シャトル計画では14人もの人命が失われている。1960年代から設計思想も変わっておらず、なおかつ30年以上人命に関わる重大事故を起こしていないソユーズのほうが信頼性が高い。
シャトル計画は完全に時代遅れなのだ。問題は、NASAがどの時点でシャトル計画を見直すべきだったかということだ。1986年のチャレンジャー号爆発事故の時点で考慮しても良かったはずだ。

夜のシャトル
夜のシャトル

とはいえ、いまだにNASAはシャトル・タイプの輸送システムについて夢を捨てていないようだ。現在、米軍が開発中といわれる極超音速爆撃機(マッハ12〜15)が、今後再利用型ロケットの基盤技術を提供することになるだろう。が、再利用ロケットが実用化されるのは、OECDの宇宙産業に関する報告書『スペース2030』によれば、2040〜2050年代以降となると予測されている。
(ちなみにロシアも1980年代末に開発していた「ブラーン」という再利用型有人宇宙船計画を復活させようとしているようだが、ロシアの宇宙開発予算を考えると先行きは不透明だ。)

シャトル計画の根本的な見直しに伴い、ISS計画は縮小を余儀なくされ、日本の実験棟(「きぼう」という愛称まで決まっていた)の建設も無期限延期の状態だ。これで微小重力下での重要な実験のかずかずが事実上行えなくなった。(「きぼう」では宇宙農業や冶金、製薬技術について画期的な実験が行われるはずだった。)
というわけで、現在とくに低軌道・中軌道の宇宙開発は危機的状態にある。今後の宇宙開発・宇宙産業がどうなっていくのか整理してみたい。このネタは次回に続く。

OECD編『スペース2030―宇宙利用の未来探査』スペース2030―宇宙利用の未来探査
OECD編
柴藤羊二・柴藤良子訳

220ページ
技術経済研究所
2006-08
ASIN: 4906445241
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2006年12月12日

ユルユルHOLGA。

HOLGA

HOLGA

HOLGA

HOLGA

HOLGA
(上のHOLGA写真はPlasticEyeから。)

HOLGA、いつでも買えるやと思って早数年。まだ所有していない。
フィルムはブローニーの120、6×6だからプリントもちょっと高い。せっかくだからとラボで焼いてもらったりするとなお高くつく。1本撮って焼くと、たぶん2000円くらいにはなっちゃうはず。

普段ぼくはデジカメを使っているけど、ネットプリントであればL判1枚8円しかかからない。もちろん焼きには不満があるけど、ラボで焼いてもらったとしてもたかが知れている。現像代は不要だし、そもそもフィルム代がかからないし。

でもHOLGAって素敵だ。あの独特な甘いピント。のぞき穴を通してみているような不思議な遠近感。最近HOLGAの入門書が何冊か出ているけれども、読むたびに、明日は買いに行こうと思ってしまう。

で、長嶺輝明の『ハッピーHOLGA』。この本もかなりユルい。
一般人のHOLGAについての質問に、おそらく長嶺自身がコメントをつけているんだけど、素晴らしくテキトーでおもしろい。

Q:光の感じでHOLGA写真を撮ることが多いのですが、何気ない1枚を撮るようになるにはどうすればいいでしょうか?
A:光が気にならない自分の好きな被写体があったら、気軽に撮ってみると良いと思います。
質問も脱臼気味だが、答えもまったくかみ合っていない。

Q:写りの悪いHOLGAでは性能のいいカメラと違って、撮る被写体は変わってくるものでしょうか?
A:HOLGAはクセのあるカメラなので、クセのない構図で撮ると良いでしょう。
クセのない構図?? どんな構図なんデスカ?

Q:正方形サイズの写真だと空間のあけ方が難しいのですが、どうすればいいでしょうか?
A:正方形サイズの写真の場合は、空間があってもバランスよく収まるので、気にしなくても良いですよ。
まったく質問に答える気がないらしい・・・

というわけでユルユルなHOLGAを楽しめるサイトをふたつ紹介しておきます。

PlasticEye

HOLGAちっく!

長嶺輝明ほか『ハッピーカメラ読本2 ハッピーHOLGA』ハッピーカメラ読本2 ハッピーHOLGA
長嶺輝明ほか

単行本: 112ページ サイズ (cm): 21 x 15
マーブルトロン
2006-07-27
ASIN: 4123901301
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2006年12月11日

そして狼は、赤ずきんを食べた――沖浦啓之『人狼 JIN-ROH』

沖浦啓之『人狼 JIN-ROH』(1999/日)

この物語は、ドイツに占領統治された歴史を持つ、架空の日本を舞台としている。

高度経済成長期を迎え国際社会に復帰しつつある日本だったが、セクトと呼ばれる都市ゲリラによるテロが頻発しいまだ社会情勢は不安定だった。
首都圏に限定された警察力である「首都圏治安警察機構」(通称、首都警)、そのなかでも特にプロテクトギアで武装した「特機隊」が、セクトと暗闘している。しかし数年前よりセクトの武装闘争も退潮。マスコミも首都警の存在意義を問い、警察庁内部にも首都警解体論が公然と議論され始めている。
首都警内部ですら一枚岩ではない。首都警幹部の半田は非公然の諜報組織「人狼」を組織し、首都警解体の動きへひそかに抵抗を開始している。一方、首都警公安部の室戸は首都警と警察庁の統合を画策している。

特機隊隊員の伏は、セクトに所属する少女・七生を追い詰め自爆死させてしまったことから、首都警公安部・辺見の陰謀に巻き込まれていく。

沖浦啓之『人狼 JIN-ROH』(1999/日)

おそらくこの世界の東京は空襲による無差別爆撃を受けていない設定なのだろう。レトロなビル街の谷間に機動隊が整列し、デモ隊の火炎瓶が飛び交う。
特機隊は、ゲリラの兵站部隊を追って地下水道を捜索する。赤レンガで出来た地下水路網。プロテクトギアには暗視装置がついていて、いわゆる「紅い眼鏡」が光る。まるで狼の群れのように。彼らはゲリラを狩る。

童話「赤ずきん」が物語の中に挿入されるのだが、実に謎めいている。この挿入された「赤ずきん」の冒頭はこんなものだ。

昔、ひとりの女の子がいて母親に七年も会っていませんでした。女の子は鉄の服を着せられて、たえずこう言い聞かされていました。服がすり切れたらきっと母さんへ会いに行けるよ。女の子は必死に服を壁へすりつけて破こうとしました。とうとう服が破けミルクとパンそれにチーズとバターを少しもらって母親の許へ帰ることになった女の子は、森の中で狼に出会い、なにを持っているのかと訊かれました。
まるで七生の生まれ変わりのように伏の前に現れた、「七生の姉」を名乗る雨宮。彼女が語る赤ずきんの物語は異様に暗くエロティックだ。ペローの「赤ずきん」以前のバージョンだと思う。鉄の服云々は処女性のことだろう。
赤ずきんが母親の家に着くと、狼がすでに待ち構えている。

「お母さん、お腹がぺこぺこよ」
「戸棚に肉があるからおあがり」
それは、狼が殺した母親の肉でした。棚の上に大きな猫が来て、こう言いました。
「お前が食べているのはお母さんの肉だよ」
「お母さん。棚の上に猫がいて、私がお母さんの肉を食べている、そう言ってるわ」
「嘘に決まってるさ。そんな猫には、木靴を投げてやるがいい」
この映画のテーマのひとつにカニバリズムがある。

沖浦啓之『人狼 JIN-ROH』(1999/日)

伏はテロリストを狩る。同じ組織の友人であっても、必要であれば狩る。狼のように群れで狩る。伏の夢の中、狼たちが少女を襲うシーンはカニバリズムの最たるものだ。
しかし、伏の上官である巽は「我々は犬の皮を被った人間じゃない。人の皮を被った、狼なのさ」と言う。狼の皮をかぶった人ではない。人ではないひとである。カニバリズムの否定たるカニバリズム。

だからこの映画が恋愛を描いているとは、到底言えない。同じように戦争を描いている『ハウルの動く城』はまごうかたなきメロドラマだが、この映画と比較はできない。
『ハウル』は戦争や国家を矮小化する。恋愛のなかに戦争を閉じ込め、個人の幻想の中で消化させようとする。911以後の世界でそんな戦争と国家の矮小化をなしたのは、もちろん戦略的なことだ。(それにしても、何故それを誰も指摘しようとしないのか。)

一方、脚本を書いた押井守や演出を担当した神山健治は、戦争や国家を「理解できないもの/得体の知れないもの」として提示する。たしかどこかで押井自身、ぼくは伏のことを理解できない、とか書いていたと思う。〈狼〉や〈群れ〉という感覚(概念ではない)を、ぼくは理解することが出来ない。雪吹きすさぶ冬山の狼の心の中など、いったい人間が知りうることだろうか。
しかし、そんな〈狼〉たちは、いまでも国家や戦争の前衛にいるはずだ。

+ + +

この映画は、地味で男くさくPG-12指定をくらっていながら、オール・セル・アニメ映画としては最高度の完成度を誇っていると思う。押井作品独特の説明調な台詞もクセになる。いまのところ沖浦啓之の唯一の監督作品。次作はまだか?

人狼 JIN-ROH (1999/日)
Jin-roh

製作総指揮 渡辺繁 / 石川光久
製作 杉田敦 / 寺川英和
監督 沖浦啓之
脚本 押井守
原作 押井守
演出 神山健治
撮影 白井久男
作画 西尾鉄也
原画 岡村天斎 / 逢坂浩司
動画 トランス・アーツ / Production I.G
設定・デザイン 高田明美 / 沖浦啓之 / 黄瀬和哉 / 出渕裕
美術 小倉宏昌
編集 掛須秀一
音楽 溝口肇 / 佐々木史朗 / 石川吉元
出演 藤木義勝 / 武藤寿美 / 木下浩之 / 廣田行生 / 吉田幸紘
   / 堀部隆一 / 仙台エリ / 中川謙二 / 大木民夫 / 坂口芳貞
   / 古本新之輔 / 松尾銀三 / 松山鷹志 / 岸田修治
沖浦啓之『人狼 JIN-ROH』(1999/日)

沖浦啓之『人狼 JIN-ROH』人狼 JIN-ROH
沖浦啓之

Color, Dolby
バンダイビジュアル
2002-02-25
ASIN: B00005V1D6
by G-Tools
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2006年12月08日

あんた、でかすぎ――市川崑『犬神家の一族』

市川崑『犬神家の一族』(2006・日)

市川崑監督の『犬神家の一族』をRKBさんの試写会で観る。
「素晴らしい!」と言いたいところだけど、率直に言って旧作には及ばない。完全に衰弱してしまった感が強い。まったく残念なことだけれども。(以下ネタバレ多々あり、注意。)

石坂浩二も加藤武もすっかり歳をとってしまい、とくに石坂には「天から来たみたい」な金田一耕助の透明感がもはやない。
じゃあ、若手はどうだったかといえば、尾上菊之助の爬虫類顔にぼくはなじめず(ただ、マスクをかぶったときの、あのヘビのような目の存在感は良し)、ヒロイン松嶋菜々子の大根役者っぷりと着物の似合わなさに萎え萎え。そもそも松嶋菜々子(身長173.8cm、wikipediaによる)の巨大さはどうだろう。身長が155cmしかない奥菜恵と並べて出したらイカンでしょう。

むしろ端役のアマチュア役者たちのほうが印象的だったりする。木久蔵師匠と中村玉緒(このひとは職業俳優だけど)の掛け合いの絶妙さ。1960年代のコメディ映画を観ているみたい。ほんのワンシーンかそこいらの出演だけど三谷幸喜もちょっといい。奥菜恵がぶっ倒れるシーンもいい。

ただ富司純子はすごいです。(尾上菊之助は彼女の実の息子だからこの作品は親子競演ということになる。かつ、寺島しのぶの母でもある。)
ラスト、金田一との緊迫感溢れる対話。富司の落ち着き払った顔が驚愕の表情へと瞬時に変わる。フラッシュバックする父(仲代達矢)の顔と富司純子の顔、石坂浩二の顔、つぎつぎに挿入される顔(表情)の氾濫。まさに映画的なショット。旧作に引き続いて長田千鶴子による編集が効いている。

ついでにちょっとマニアックなこともメモしておく。
調色は70年代的。ひょっとしてフィルムはデッドストックな古いものを使っているのか?? フィルタも多用しているっぽい。

市川崑『犬神家の一族』(2006・日)

市川崑監督って、もう91歳なんだよね。日本では現役最高齢の映画監督ではないだろうか。
90歳超の高齢監督というと、ポルトガルのマノエル・ド・オリヴェイラが思い浮かぶけれども、オリヴェイラと市川崑ってのは、ずいぶん創作の姿勢が違う。オリヴェイラはこの年齢にして1年に1本のペースで撮り続け、しかも作風をすべて変えてくるというアグレッシヴさ。1999年の『クレーヴの奥方』と2002年の『家宝』じゃ、まったく志向性が異なっている。にもかかわらずオリヴェイラだと一目で分かるのは何故か。

市川崑は良くも悪くもスタイル先行な作家だ。市川崑マニエリスムは、1976年から79年にかけての金田一シリーズ(『犬神家の一族』『獄門島』『女王蜂』『悪魔の手毬唄』『病院坂の首縊りの家』)で練られ、『細雪』(1983年)でついに完成する。市川自身は『竹取物語』(1987年)や『四十七人の刺客』(1994年)でそのマニエリスムを捨てようとするも失敗、ふたたびマニエリスムに戻るために『八つ墓村』(1996年、トヨエツが出ていた例のアレ)を撮るがさらに華々しく失敗してしまう。新『犬神家の一族』もマニエリスム復帰失敗の系譜に連なる映画かもしれない。

市川崑の作品は様式美(マニエリスム)こそが見どころなのであって、ということはキャスティングをミスしてしまうと終わりだということです。尾上菊之助はミスキャストだ。松嶋菜々子はさらに救いようもなくミスキャストだ。どんなに岸部一徳や萬田久子が地味にいい演技をしていてもダメだ。ダメなものはダメだ。

市川崑『犬神家の一族』(2006・日)

脚本について。
プロット自体は、まさに精神分析学的な〈症候〉をテーマとしている。他者の欲望をそれと知らずに欲望する人間のすがた。今は亡き犬神佐兵衛の欲望を、それと知らず娘・松子が欲望し実現していく。まるで自分ではないように、同時に自分(母)であるために、殺人を犯す。フラッシュバックする父の顔。抑圧の主体を憎悪しつつ、娘はその欲望を達しようとする。

物語の中心には佐兵衛の欲望があるのだ。しかしこの映画でその深さ/闇はよく描かれない。老いた神社の神官(大滝秀治)のわずかな言葉の中にほのめかされるだけだ。なぜ、佐兵衛の欲望が曖昧なままなのか。
たしかに物足りなく感じなくもないが、市川崑はあえてそのようにしたとも思われる。物語の中心には佐兵衛の欲望がある。しかし、あくまで主役は生者なのだ。欲望の起源は常に曖昧なまま、あるいは空虚なまま、宙吊りとなる。

精神分析とはそういうものだ。金田一は分析医のような立場にいる。彼は汽車を乗り継いで那須に来たわけだが、すべての殺人は佐兵衛の欲望どおり起こってしまう。
探偵物語とはそういうものだ。一度起動した欲望は完結するまで駆動し続ける。探偵(分析医)はそれを事後解読するしかない。
市川崑はこの原則に忠実だ。この点がハリウッド的論理とは異なるところだと思う。ハリウッド映画に分析医は登場しない。ハリウッドにおける分析医は、批評家である。

市川崑『犬神家の一族』(2006・日)

ちょっと気になった点を3つばかり。

1.中盤、金田一と古館弁護士とが事務所で会話するシーンで、壁の振り子式時計が動いていないのがどうしても気になる。
2.米軍払い下げのジープのナンバープレートがあからさまに現代のもの。本当だったら、草色地に黒文字(輸入車の場合)か黒地に白文字(事業車の場合)であるべきはず。
3、あんなモーターボートが、あの当時(舞台は昭和23年だ)あるわけない。

いろいろネガティヴなことを書きまくったけれども、いつかテレビでやっていた稲垣吾郎の金田一よりはずっとマシだ。比較するのも失礼だろうが。

『犬神家の一族』公式HP

犬神家の一族 (2006/日)

製作 黒井和男 / 一瀬隆重 / 近藤邦勝 / TBS
監督 市川崑
脚本 市川崑 / 日高真也 / 長田紀生
原作 横溝正史
撮影 五十畑幸勇
美術 櫻木晶
音楽 谷川賢作 / 大野雄二
特撮 橋本満明
編集 長田千鶴子
助監督 手塚昌明
録音・調音 大橋鉄矢
配給 東宝
出演 石坂浩二 / 松嶋菜々子 / 尾上菊之助 / 富司純子 / 松坂慶子
   / 萬田久子 / 葛山信吾 / 池内万作 / 螢雪次朗 / 永澤俊矢
   / 奥菜恵 / 深田恭子 / 石倉三郎 / 尾藤イサオ / 岸部一徳
   / 大滝秀治 / 草笛光子 / 三條美紀 / 三谷幸喜 / 林家木久蔵
   / 中村玉緒 / 加藤武 / 中村敦夫 / 仲代達矢
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2006年12月05日

Irena Wilkosz

zonder titel 01,1988年
zonder titel 01,1988年

zonder titel 04,1990年
zonder titel 04,1990年

zonder titel 05,1990年
zonder titel 05,1990年

zonder titel 14,1995年
zonder titel 14,1995年

zonder titel 28,2000年
zonder titel 28,2000年

Irena Wilkoszという画家の作品。オランダ在住の作家らしいけど、詳しい経歴はわからない。HPがオランダ語なので読めないです。まだ日本ではほとんど知られていない画家だと思う。
レメディオス・ヴァロとルネ・マグリットを足したような幻想的で不安な心象画・風景画を得意とする。「zonder titel 01」なんて、あからさまにニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』の綱渡り師の場面ではないだろうか。
 
posted by Dr.DubWise at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | imago mundi | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月03日

「訴えたいことが、ないんです。」by 鳥肌実

鳥肌実(? - )
鳥肌実(? - )

え〜、鳥肌実って誰?と初歩的な質問をされましたので、ごく簡単に略歴を。
いちばん詳しいのはwikipediaの項かな。

鳥肌 実(とりはだ みのる)は、日本のお笑い芸人。演説家。ことり事務所所属。
右翼的な言動・ビジュアルを中心に多彩な芸風を持ち、「皇居に向って敬礼」、「欲しがりません勝つまでは」、「ニイタカヤマノボレ」などと書かれた通称「玉砕スーツ」を着用して全国(南樺太から尖閣諸島まで)で活動をしている。 たまに、路上で意味不明なダンスやパフォーマンスをしたり、全裸になり局部を露出する事もある。(以下略)
芸人です、この人は。最近『タナカヒロシのすべて』という映画に主演しております。ときどき端役で映画には出ておりますが、やはり芸人です。決して、反共主義者でも右翼でもございません。
なぜ演説という形式のパフォーマンスをしているのかといえば、本人がこう言っている通りだと思われます。「訴えたいことが、ないんです。メッセージのない演説家でございます。自己紹介は得意でございます。好感度を、上げたいんです。」

どんな芸風かといえば、Youtubeでも相当数アップされているのでそちらを見てください。ぼくのお気に入りの動画はこちらです。お得意の演説ネタではありませんが「鳥肌実的生き様」がよく表れている良動画です。


 
posted by Dr.DubWise at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | favorites | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

趙之家&白玉屋新三郎

「酸辣湯麺」@趙之家

「やわらか炒麺」@趙之家

ともちゃん@趙之家

クリスマスの準備で天神などをぶらり。まずお昼ご飯は『趙之家』で。

このお店、やっぱりスープが美味しいんだと思う。あゆむさんの「海老入り天津飯」(大き目の海老がごろごろ入っている)についてくるスープもほのかにショウガの風味を感じるものの、白湯がそもそもウマい。臭みもなくクドクもなく塩梅もちょうどいい。だから麺類などもハズレがない。

「酸辣湯麺」はいつ食べても美味しい。かなり細めの中華麺を使っていて、かん水臭はゼロ。大ぶりのどんぶりになみなみと入れられてくるので男性でもお腹いっぱいになるはず。香酢の香りが食欲をそそるねえ。ほどよいスープのとろみで暖まります。
「やわらか炒麺」は少し太目の中華麺で。オイスターソースが麺の表面に「染みついている」感じ。ソースが絡まっている状態とは違うんだよね。多分、適量な調味料(これが微妙なんだと思う)をかなりな火力で処理しないとこの状態にならないはず。ウマイ。

セットでつけてもらった「ミニ麻婆丼」は牛肉を使っていました。少し贅沢。「黒胡麻杏仁豆腐」は杏仁の風味と黒胡麻の風味が、バラバラなようでまとまっているような、ちょっと不思議な味。

「ゆず湯白玉」@白玉屋新三郎

「赤玉ぜんざい」@白玉屋新三郎

「雪見白玉」@白玉屋新三郎

大丸でひと休み。『白玉屋新三郎』で白玉団子を食べる。ともちゃんが気になっていたお店だとのこと。

このお店、熊本は氷川町に本店があるらしい。まったく知らなかった。「赤玉ぜんざい」、「ゆず湯白玉」、「雪見白玉」を食す。こりゃあ、たしかに美味しい。
主役の白玉が非常になめらかで甘さも上品。白玉粉を石臼挽きで製しているのだそう。もうひとつの驚きが玄米きなこの美味しさ。驚くほど肌理こまかい粉で、ふわふわしている。香ばしくて、だけど本来のきな粉みたいな豆の匂いがないので食べやすい。粉の甘味、(たぶん)和三盆の甘味、アクセントのお塩。これも石臼で挽いているんだろうか。器も素敵。

もう少し落ち着いた場所で食べれたらもっと美味しいだろうなあ。光明禅寺や友泉亭あたりでこれが出たら、日がな一日居座ってしまうでしょう。
 
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2006年12月02日

デトロイト・デトロイト

Detroit
Detroit

ciscoを巡回中に発見した最近のデトロイト・フォロワーの作品です。もちろんすべて試聴可。少しでも「デトロイト」とは何か、知っていただくと嬉しいです。

Convextion『Convextion』Convextion
Convextion

LP 2
Down Low
2006-11-29

Convextionというプロジェクト名もGerard Hansonという固有名も、まったく記憶にない。90年代半ばにMatrix Recordsからリリースしていたらしい。『Mix-Up vol.5』のリストを確認したら、たしかに使われている。デリック・メイが使ってたのか。こんなにクォリティが高ければ、どこかで記憶に残ってそうなもんだけどな。精進が足りない。
ダビーでミニマル。ミニマルといっても、クリックではなくハードミニマルでもなく、デトロイトをミニマム化させた音。残響が非常に美しそう。エレクトロニカ好きにもオススメできます。真冬にこんなアルバムをホームリスニングしてるなんてクールでしょ。
なにはともあれ買い。世界限定500枚らしいので、ピンときたひとはすぐに買い物かごへ。迷う暇なし。

Vince Watson『Renaissance Ep』Renaissance Ep
Vince Watson

12"EP
Planet E
2006-11-30

グラスゴーを拠点として、RotationやIngomaからデトロイティッシュな作品をコンスタントにリリースしているVince Watson。今作はPlanet Eから。さすが名門からのリリースだけあって、これは試聴しても美しいです。音色キラキラ、ビートはスムーズ。このメロディーの美しさと叙情性がデトロイト。夜、車の中でずっと聴いていたい音かも。

Los Hermanos『Influence E.P』Influence E.P
Los Hermanos

12"EP
Los Hermanos
2006-10-05

Rolandoが抜けてしまったLos Hermanos。でもほとんど作風は変わらず。やっぱりGerald Mitchelがメインのプロジェクトってことか。
いわゆる第一世代のお歴々の時代から伝統的に、ラテンをエレクトロニックに表現すること、ラテンの軽快さとディプン・ドープなビートが同居する独特の感覚がデトロイトの一つの特徴ではあるけれど、その良き伝統を継承しているのがこのプロジェクトだと思う。

Repeat Orchestra『The Making Of』The Making Of
Repeat Orchestra

12"EP
Real Soon
2006-06

Stefan Schwanderのプロジェクト、Repeat Orchestra。正直よく知らない。どっちかっていうとディープハウスっぽいかも。Moodymannあたりによく通じた漆黒のジャズ・フレイヴァーがぼく好みです。
ジェフ・ミルズがこのトラックを回しているそうだけど、どういう展開で使ってるんだろう。ちょっと気になる。

Chizawa Q『Asia 4  Panther』Asia 4 / Panther
Chizawa Q

12"EP
R&S Records
2006-09-27

じゃあ、日本人でデトロイトやってる人はいないかっていうと、たくさんおります。そりゃあもうたくさん。
かつて「RemixTrax」なんて素晴らしいコンピがあったけれども、あれでデトロイトに開眼されて現在DJやってますって人、かなり多いはず。おそらくこのChizawa Qって方もそのクチじゃないだろうか。オーソドックスなデトロイト。もう少しひっかかりも欲しい。新生R&Sからのリリース。
 
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わたくしが内閣総理大臣に当選した暁には、巨大な戦艦を作ります。




すいません、Youtubeばかりで。
あまりにバカバカしく、かつエクセレントなので貼っておきます。深い意味も政治的な意味もございません。ただ、昔からギレン総帥が好きだっただけで・・・(ぼくは、ただ『ギレンの野望』をやりたいがためにセガサターンを購入してしまった前科モノです。)

鳥肌実の演説会、一度行ってみたいんです。でもコワイので誰か一緒に行きませんか?

鳥肌実公式HP
 
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メロトロンって知ってます?





またまたYoutubeを散策中に貴重な動画を発見。メロトロンの構造とテープ交換の様子です。はじめて見た・・・

メロトロンを知ったのは、Roxy Musicのファースト・アルバム。まだブライアン・イーノが在籍していた頃で、というかこのアルバムに限っていえば「イーノの作品」じゃないかってくらいイーノ色。イーノの訳のわかんないシンセやエフェクトに混じってメロトロンの音が聴けます。
ちなみに、キング・クリムゾンもユーザ。『クリムゾン・キングの宮殿』の「エピタフ」で聴けるストリングス音は、メロトロンの音デス。

発音原理は原始的だけど、開発されたのは1960年代。あんまり古い楽器ではない。マイナーだけど、好きな楽器。

ちなみにこの解説をしているのは、安西史孝。知る人ぞ知る1980年代のテクノポップを裏で支えていた職人さんです。実は彼、アニメ「うる星やつら」のBGMを作ってた方でもあります。「うる星やつら」のBGM集はテクノ好きな人にもあまり顧みられることがないのですが、非常にクォリティが高い。テクノの歴史を洗っている人にオススメです。(amazonでは見当たらないので、欲しい方は中古のレコ屋を掘ってみてください。比較的手に入りやすいと思います。)

Roxy Music『Roxy Music』Roxy Music
Roxy Music

Virgin
2000-03-14
ASIN: B0000256KG
by G-Tools


キング・クリムゾン『クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン・紙ジャケ仕様)』クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン・紙ジャケ仕様)
キング・クリムゾン
WHDエンタテインメント
2006-02-22
ASIN: B000E1KN5W
by G-Tools

 
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