2006年12月13日

スペースシャトルについて。

スペースシャトル
スペースシャトル

ぼくが子どもの頃、大人になったら宇宙旅行は普通にできるようになっているだろうと思っていた。
ぼくが大人になる頃には、軌道上にドーナツ型の宇宙ステーションが出来ていて、スペースシャトルが観光客を乗せて毎日ステーションまで飛んでいて、もちろん月面基地は出来ているし、オニール型のスペースコロニーも具体的な計画が始まっていて火星には人類が降り立っている。そんな未来世界を想像していた。現実はとても追いついていないが。
何故だろう。いくつか理由はある。

第一に、米ソの冷戦構造が崩壊したこと。アメリカにとってもロシアにとっても、月以遠の深宇宙探査という「国威発揚の場」が必要なくなった。また、戦略核等の削減交渉が進み、SDIのような巨大軍事プロジェクトが破棄されたことが宇宙開発全体に与えた影響は大きい。

第二に、衛星技術に替わる地上代替技術の開発が進み、コストのかさむ宇宙開発に手を出す必要性が希薄になったこと。
たとえば、衛星によるコンテンツ配信事業は、アメリカでこそ順調なものの、光ケーブル網やCATV網が普及し、地上デジタル波放送も開始した日本では決して順調とは言えない。今後、世界中で日本と同じ状況が進むだろう。
1990年代後半のモトローラ社によるイリジウム計画も、インターネットバブルの崩壊に伴い21世紀早々に破綻した。地上の携帯電話網とネット網が全世界を覆いつつある現在、イリジウムは不要で非現実的な構想である。

第三に、重大事故の多発。
とくにスペースシャトル・コロンビアの破滅的な事故は、アメリカの宇宙開発だけでなくISS(国際宇宙ステーション)の建設にも重大な遅延をもたらしてしまった。日本のHU-Aロケットのたび重なる失敗も、宇宙産業市場(打ち上げ市場)への日本の参入を決定的に遅らせてしまった。

SRBロケットエンジン(固体燃料ロケットブースタ)
SRBロケットエンジン(固体燃料ロケットブースタ)

そう、スペースシャトル計画の根本的な失敗が、宇宙計画に重大な遅滞をもたらしたといえる。今となっては、スペースシャトル計画そのものが非現実的な輸送システムだったと評価せざるを得ない。NASA自体も、それをしぶしぶながら認めつつある。

1981年の初飛行時の目標は、7人の宇宙飛行士と30トンのペイロードを低軌道に運ぶための費用は5000万ドル以下、大事故の可能性は0.0001%以下、4機のシャトルを建造し年間のべ50回以上の飛行、というものだった。
実際の成果はどうか。シャトルは5機建造され、22年間でわずか120回の飛行、2度の大事故で14名の人名と2機のシャトル本体が失われ、1回の打ち上げに3億5000万ドルから4億5000万ドルが必要である。(ちなみにHU-Aですら一回あたりの打ち上げコストは100億円程度。)
NASAは2010年までにシャトルを全機退役させる予定で、後継機としてオリオンというアポロ−ソユーズ・タイプの輸送システムを採用することになっている。

打ち上げコストというのは宇宙開発にとって非常に重要なのだ。
当然ながら、景気の循環に宇宙開発も左右される。たとえば、1992年は全世界で93回の打ち上げが行われたが、2001年は59回でしかない。これはインターネットバブルの崩壊により、通信衛星の開発が先送りされたことが大きい。
また、衛星の耐久性が向上し(現在は一般的に、衛星寿命は15年と言われている)コストパフォーマンスが向上しつつある。したがって、いよいよ打ち上げ回数は減らざるを得ない。打ち上げ産業は現在も危機的な状況にある。

電子部品の小型化により、低軌道衛星から静止衛星程度であれば、高性能でしかも軽量な衛星が製造可能となった。つまり商業衛星の打ち上げについては、ロケットに巨大なペイロードを必要としていないということだ。プライオリティが高いのは、打ち上げの信頼性である。(打ち上げ機関だけではなく、衛星保険業界にとっても死活問題だ。)信頼性という観点では、欧州のアリアンやアメリカのアトラス、ロシアのプロトンのほうがシャトルよりもはるかに評価が上だ。

有人宇宙船としても、シャトル計画では14人もの人命が失われている。1960年代から設計思想も変わっておらず、なおかつ30年以上人命に関わる重大事故を起こしていないソユーズのほうが信頼性が高い。
シャトル計画は完全に時代遅れなのだ。問題は、NASAがどの時点でシャトル計画を見直すべきだったかということだ。1986年のチャレンジャー号爆発事故の時点で考慮しても良かったはずだ。

夜のシャトル
夜のシャトル

とはいえ、いまだにNASAはシャトル・タイプの輸送システムについて夢を捨てていないようだ。現在、米軍が開発中といわれる極超音速爆撃機(マッハ12〜15)が、今後再利用型ロケットの基盤技術を提供することになるだろう。が、再利用ロケットが実用化されるのは、OECDの宇宙産業に関する報告書『スペース2030』によれば、2040〜2050年代以降となると予測されている。
(ちなみにロシアも1980年代末に開発していた「ブラーン」という再利用型有人宇宙船計画を復活させようとしているようだが、ロシアの宇宙開発予算を考えると先行きは不透明だ。)

シャトル計画の根本的な見直しに伴い、ISS計画は縮小を余儀なくされ、日本の実験棟(「きぼう」という愛称まで決まっていた)の建設も無期限延期の状態だ。これで微小重力下での重要な実験のかずかずが事実上行えなくなった。(「きぼう」では宇宙農業や冶金、製薬技術について画期的な実験が行われるはずだった。)
というわけで、現在とくに低軌道・中軌道の宇宙開発は危機的状態にある。今後の宇宙開発・宇宙産業がどうなっていくのか整理してみたい。このネタは次回に続く。

OECD編『スペース2030―宇宙利用の未来探査』スペース2030―宇宙利用の未来探査
OECD編
柴藤羊二・柴藤良子訳

220ページ
技術経済研究所
2006-08
ASIN: 4906445241
by G-Tools

posted by Dr.DubWise at 00:37| Comment(7) | TrackBack(0) | cahier | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>日本のHU-Aロケットのたび重なる失敗
1度しか失敗していないのに、「たび重なる」と表現するのはどうかと思います。
Posted by 通りすがり at 2008年08月30日 20:02

あわわわwwwこのコの「米青 子 好 き」ってウソじゃなかったんだな!!www
何発出したか分からないくらい出したのにぜーんぶ飲み干されたよwww
ちなみにボクの汁は「ドロドロでクサくてウマー(*´∀`*)」らしいwwwww
すごい変 態さんだけど、毎回3マソは絶対にくれるからボク的にもウマウマっすwww(゜∀゜)

http://jam.tsukimisou.net/a-q41vb/
Posted by へ、ヘソタイだーーーっ!!www at 2009年08月08日 13:04

ホホホイ!ホホホーイ!って調子乗って八 メ ま く っ て たら通帳見て引いたし!!!!
まぁ欲しいモン買いまくってパチスロで遊んでてもすぐに貯まっちゃうからなーwwwww
セ レ ヴってホント金使い荒いと思うわwwwなんで俺みたいなのに10 マ ソとかくれんのwww

つかマジで金の使い道に困ってるんだよねwww誰かおせーてwwwヽ(´Д`;)ノ
http://envi.strowcrue.net/cxau9t-/
Posted by ヒャッフゥーーー!!!! at 2009年08月15日 14:51

>しゅうへい
オレなんかなかなか出させてもらえない生 殺 し プ レ イされたぞ!!(|| ゚Д゚)
つーか焦らされ過ぎたら ザ○メソ ってシオ○キみたいに吹き出るのなwww失神するかと思ったwwwww
けど男でもあんな風にいけるってのは面白かったねwww報 酬もたっぷりもらえたしなーwww
しゅーへい、あれはマジで一回は体験しといた方がイイよ!!ヽ(*´∀`*)

http://OmEtRoRo.com/Puru/mxt3sio/
Posted by めちゃくちゃいいネ!コレ! at 2009年08月22日 20:38

『お ち ん ち ん見たいなーヽ(*´Д`*)ノ』って言うノリノリなギャルと会ってきたよー!!
経験豊富なんだろー?と思ってたら実はヴァージンだったのでテンション激アガリ!!(゚Д゚≡゚Д゚)

慣れない手つきのフ ○ ラや手 ○ キだったけど・・・だが、それがいい!!www(`・ω・´)b ビシッ!!
その後は美味しく初めてと報 酬をいただきましたwww一石二鳥でうまいねコリャwwwww

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Posted by 一度で二度うまいッ!www at 2009年08月29日 18:55

ダンサーやってるミオちゃんのきつきつま-〇-こすんげぇぇぇぇ━━(゚Д゚;)━━!!!!
こんなすっげぇ締めつけは初めてだわ!!息子はどっぴゅどっぴゅ止まんねーし!!気持ちよすぎwww

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Posted by うおぉぉぉ!! at 2009年09月06日 08:55
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Posted by ブレスレット 通販 at 2013年08月06日 17:42
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