2006年12月14日

共和主義とはなにか――レジス・ドゥブレ 『思想としての「共和国」』

Regis Debray(1940- )
Regis Debray(1940- )

フランスではジャコバン共和主義者(!!)として知られるレジス・ドゥブレの『思想としての〈共和国〉』を読む。メディオロジーの創始者としても知られるドゥブレだけれども、本書では共和主義者と自由主義者(デモクラット)の根本的な相違について、皮肉たっぷりに、しかし危機感もあらわに訴える。

冒頭のドゥブレの論文「あなたはデモクラットか、共和主義者か」は1989年に発表されたものだが、アメリカを代表とする自由経済主義に根本的な異議を唱える重要なもの。
「共和制」「ライシテ」「シトワイアン」「自律」など、非常に重要なタームがちりばめられているので、いずれまとめてエントリーしたい。とりあえず若干の引用を。ちなみに以下の引用で「デモクラシー」とあるのは、民主主義ではなく自由経済主義と訳したほうが分かりやすい。

共和制においては、各人はみずからを市民としてとらえている。そしてすべての市民によって構成されているのが「ネーション」、すなわち「共通の法のもとで生き、同じ立法者によって代表される、仲間・同輩者たちの一団」(シエース)である。翻って、デモクラシーにおいては、各人は自分を自分が属している「コミュニティ」によって定義する。そしてすべてのコミュニティの総和が「社会」を作っているのである。共和制の人間がみな兄弟なのは、彼らが同じ権利を持っているからである。ところがデモクラシーにおける人間は、彼らがみな同じ祖先を持っているからこそ、兄弟なのである。共和国では、黒人だから市長になったとか、黄色人種のゆえに上院議員であるとか、ユダヤ人だから大臣であるとか、無神論者なので学校の校長になったというようなことはありえない。黒人という市各での知事、白人という資格での市長、モルモン教徒という資格による上院議員といった事態が可能なのは、デモクラシーにおいてである。同国市民は同宗者と同じではない。
レジス・ドゥブレ Regis Debray『思想としての「共和国」―日本のデモクラシーのために』思想としての“共和国”―日本のデモクラシーのために
レジス・ドゥブレ Regis Debray
三浦信孝・樋口陽一ほか編訳

単行本: 276ページ サイズ (cm): 19 x 13
みすず書房
2006-07
ASIN: 4622072211
by G-Tools
posted by Dr.DubWise at 23:18| Comment(1) | TrackBack(0) | words | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
腕時計 メンズ
Posted by 通販 腕時計 at 2013年07月29日 18:10
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/29641764

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。